「バランスのとれた金融論入門」　　　
浅子 和美（一橋大学経済研究所教授）

　私は過去に数冊の経済学の入門書の出版に関与してきましたが，DVDは初めての経験です。一人で読み進める教科書と比べると，ドラマ仕立てで進む金融論の入門は，臨場感もあり理解が進むものと思います。展開が速いので，うっかり見逃してしまうこともあるでしょうが，そこはDVDなので，何回も再生して利用してください。
　金融論では，大学のカリキュラムによってはmonetary theory, money and banking, financial economics等と細分化されるテーマを，金融政策も含めて理論と現実の両面からバランスよく展開する必要があり，貨幣が流通することで経済活動にどのような影響が及ぶのかを多面的に解明していきます。その点，本シリーズでは，ゼミでの議論，アニメによる説明，バーチャルな世界との交信，銀行等への訪問インタビューと，DVDならではの巧みな工夫がなされており，基礎知識と現実感覚を無理なく同時に身に着けさせることができます。講義やゼミの補修用，また個人の独習用にも広く推薦します。● (Kazumi Asako)
　

「体系的でわかりやすい」　　　
山澤 成康 (跡見学園女子大学マネジメント学部教授)

　金融論は現代社会を理解するうえで必須の学問領域ですが、とっつきにくい分野であることも確かです。このＤＶＤでは大学生を主人公にしたドラマを中心に据えています。アニメーションや実際の金融機関の映像なども織り交ぜて、飽きのこない構成になっています。金融関連のニュースは、毎日洪水のように入ってきます。それらを一旦受け入れることは必要ですが、体系的な知識として身に着けなければ役に立ちません。このＤＶＤを全巻通して見れば、体系的な知識が身に付きます。1巻約30分の長さは、大学の講義との連携を考慮しています。こうした教材を使う際、私は講義を一通り終えた後に見せることにしています。同じことの繰り返しになる面もありますが、「いろんな人が同じことを言う」というのは意外と学生に効果があります。ぜひ試していただければと思います。●(Nariyasu Yamazawa)