そんなつもりはなかったのに相手を怒らせたり、自分の考えたことが相手にうまく伝わらなかったりして後悔したりもどかしい思いをしたりすることがあります。これは言葉をうまく生かして使っていないことから起きる現象です。言葉を生かして使うことが求められるのは、敬語です。
敬語については、短い時間で公式どおりの指導をしたのでは生徒の興味を喚起することはできません。本巻では、クイズ形式を取り入れたり、社会生活の様々な場面や学校・教室での使用例を見たりしながら進行し、その役割や働きを考えさせます。特に、尊敬語と謙譲語の違いについて分かりやすく解説します。
・尊敬語 ・謙譲語 ・丁寧語 ・社会人の敬語 他 |
<“社会人の敬語”シーンより>
「すみません。チェックインをしたいんですが。」
「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でいらっしゃいますか。」
「はい、そうです。」
「お名前様を、ちょうだいできますでしょうか。」
「は?」
「恐れ入りますが、お名前様を、ちょうだいできますでしょうか。」
「あ、はい、斉藤一郎ですが。」
「斉藤一郎様ですね。少々お待ちください。」
今ご覧いただいた場面に、実は、おかしな敬語の使われているところがありました。 皆さんは、気がつきましたか。 スタジオの3人は、どうでしょうか。
「わたしは、『お名前様』っていうところが、ちょっとあやしいかな、と思います。お客さんも、ピンと来なかったみたいです。」
「そうかなぁ。『名前』に、『お』と『様』をつけるなんて、ぼくは、最高の敬語だと思うんですけど…。」
「普通、『テレビ様』とか『消しゴム様』とか、人間以外に、『様』なんか、つけないでしょ。」・・・・・・ |
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