歌舞伎の世界に女性はいない。女を演じるのはすべて男の俳優であり、女に扮する俳優を「女方」、俗に「おやま」とも呼んでいる。女方は女性だったら気のつかない女らしさを、鋭く、的確に
つかみ出し、やや誇張した表現によって歌舞伎の様式化された演技の中にうまく生かしている。 その芸は演技の中で重要な位置を占め、歌舞伎の特色でもあり、魅力になっている。この作品
では、歌舞伎固有の女方芸の発生と展開、その伝承と創造の過程を描き、現代の代表的女方 の演じる舞台から、女方が三百年をこえる歴史の中で磨きあげてきた独自の芸の世界を追求する。
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■主な舞台
廓文章<くるわぶんしょう>(昭和54年)・新版歌祭文<しんばんうたざいもん>−野崎村<のざきむら>−(昭和54年1月)・奥州安達原<おうしゅうあだちがはら>(昭和53年)
隅田春妓女容性<すだのはるげいしゃかたぎ>−梅の由兵衛<うめのよしべえ>−(昭和53年)・鏡山旧錦絵<かがみやまこきょうのにしきえ>(昭和54年3月)
■主な出演
4代目市川左團次、7代目尾上梅幸、9代目澤村宗十郎、6代目澤村田之助、2代目澤村藤十郎、3代目實川延若、6代目中村歌右衛門、5代目中村勘九郎、17代目中村勘三郎、2代目中村又五郎、5代目坂東玉三郎
■ 企画・監修:日本芸術文化振興会(国立劇場)
■仕様 DVD カラー 33分
■価格 18,000円+税
(DVD)SSA288D |
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