日本語字幕版監修のことば
高瀬正仁
(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所准教授)
ソートイ先生に案内されて、古代から現代まで、世界の数学のふるさとへの旅が続きます。
ゼロの発見、アラビア数字の発明、素数の神秘、ピタゴラスの定理の不思議、方程式の解法の工夫の数々、虚数の魔力、円周率πの発見と計算、微積分の創造など、名所旧跡の探訪を経て、ポアンカレ予想とリーマン予想の高みまで。
映像も美しく、ソートイ先生の語り口の切れ味もまた素晴らしい。分かりやすい計算例を入り口にして、数学の深奥に迫ります。
全巻の旅を終えたころには、古代から現代に至る数学の歴史がつながり、ひとつになることでしょう。「数学はひとつ」なのです。数学の全体像に生き生きとしたイメージが生まれることを請け合います。
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■各巻の内容
@ 数学の始まり The Language of the
Universe SMA112D
古代エジプトで生まれた数学。その原理は2000年以上もの間変っていません。測量と計算の必要性から生まれた数を表すヒエログラフ、分数、体積の計算方法・・・。バビロニアではゼロの概念と記号が誕生。ギリシアではピタゴラスの定理や無理数が発見されました。今日の数学の土台となるエジプト、バビロニア、ギリシアのパイオニアたちの画期的な発見を追います。
A 東洋の数学 -隠された真実- The Genius of the East SMA113D
古代中国では竹で数を表す十進法が生み出されました。数学は国家運営の要となり、官僚の教育を目的として「九章算術」も作成されました。インドでは9個のアラビア数字、そして、最も重要なゼロという数字、πの概念、イスラム帝国では代数の概念が生まれました。東洋の数学が西洋世界に与えた影響について解説します。
B 華麗なる数学者たち The Frontiers of Space SMA114D
デカルト、フェルマー、ニュートン、ライプニッツ、オイラー、ガウス、リーマン・・・。17世紀のヨーロッパの様々な場所、様々な境遇で数学の黄金期を彩った個性豊かな研究者たち。ニュートンとライプニッツの微積分法の功績をめぐる戦い、数学の名家ベルヌーイ家の栄華など、多数のエピソードを紹介し、数学者の光と影を追います。
C 数学の無限の可能性 To Infinity and Beyond SMA115D
ヒルベルトが発表した数学の23の問題を解くために、数学者は様々な思考を巡らせました。20世紀半ばには数学の中心地が、ドイツのゲッティンゲンからアメリカのプリンストンへ移ります。その間も、次々と問題を解き、新たな発見を導き出していきます。しかし、今だに解かれていない「リーマン予想」を説くため、数学者たちは日々努力を続けているのです。
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