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朗読CD 「赤い鳥」童話集 ― 耳で聴く「赤い鳥」の童話 ― <新宿スタジオ作品> (DVD)SSJ001D |
CD5枚組 19,000円+税 |
構成・演出:山口正道 |
「赤い鳥」とは―― 「赤い鳥」は大正7年(1918) 7月、鈴木三重吉(1882 − 1936)
によって創刊された児童のための文芸雑誌です。鈴木三重吉は、夏目漱石門下の小説家としてすでにその地位を築いていましたが、大正5
年、長女の誕生と『三重吉全作集』の刊行完了を契機に、雑誌「赤い鳥」の主宰・発行を企図しました。創刊に際し、つぎのように述べています。 「世間の小さな人のために、芸術として真価ある純麗な童話と童謡を創作する、最初の運動を起こしたい」。 当時の児童向けの低俗な読みものに対し、文学性・芸術性の高い創作童話を提供して児童文化の向上を図りたいと、理想に燃えての出版でした。雑誌は、童話・童謡・巻末に掲載された募集作文の三つを柱に編集され、童謡は北原白秋が毎号自作の童謡を発表し、また投稿作品の撰にあたりました。創刊号には島崎藤村、芥川龍之介に鈴木三重吉らの童話が掲載されています。当初は鈴木三重吉の考えに賛同した大勢の当代一流の作家や文学者たちが作品を寄せました。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」や、有島武郎の「一房の葡萄」などは、いまも教科書に取り上げられたりして読み継がれています。 「童話」や「童謡」という言葉が使われるようになったのは「赤い鳥」創刊の頃からです。それを主宰・発行した鈴木三重吉が、この時代に新しい児童文学を確立した功績は現在も高く評価されています。
本巻では―― 創刊号に載る島崎藤村「二人の兄弟」、「蜘蛛の糸」、鈴木三重吉の「ぶくぶく長々火の目小僧」「ぽっぽのお手帳」から、大正10 年6月号掲載の木下杢太郎「花屋の娘」まで、前期前半の19 篇を採り上げて朗読しています。 作品は、幼児から小学校低学年を対象とする幼年童話、中学年、高学年を対象とするものの三分野に分けられます。たとえば「ぽっぽのお手帳」は幼年童話、「二人の兄弟」「ぶくぶく長々火の目小僧」は中学年向け、「蜘蛛の糸」「花屋の娘」は高学年向けです。が、朗読を聞くことによって、そうした対象に拘ることなく、誰もが愉しく童心に返ることができるでしょう。
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