宇宙を夢見た戦士たちは、
あの瞬間(とき)なにを感じたのか?
宇宙探査と科学の未来を切り拓く組織として米国政府によって設立されたアメリカ航空宇宙局、
NASA。
宇宙飛行士や技術者による限界への挑戦は、宇宙への壁を次々ととりはらい、世界の
宇宙工学と航空工学の発展を牽引してきた。
彼らが目にした壮大な景色や、人類初めての挑戦へ挑んだ時の気持ちは、どのようなものだったのだろうか?
今日の宇宙科学の礎が築かれ
た1960年代から約40年の、NASAの苦難と栄光の日々が今よみがえる。
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各巻の内容
@人類初の領域へ
From the Ground Up (SMA117D)
1958年、米国とソ連による軍事的な宇宙開発競争の機運を背景に、NASAが設立された。
1961年、ケネディ大統領は“今後10年以内に月に着陸し、無事に帰還させる”と議会で演
説し、その当時は無謀とされていたミッションがNASAに突きつけられた。宇宙遊泳、ドッキ
ング、ランデブーなど数々の成果を経て、ジェミニ計画で活躍した宇宙飛行士ニール・アー
ムストロングが、アポロ計画でも大きな貢献をすることとなる。
Aアポロ計画 To the Moon (SMA118D)
1970年までに月への有人飛行を行うというアポロ計画が立てられる。アポロ8号が月の周回
軌道にのせることに成功し、そして1969年、ついにアポロ11号が念願の月面着陸を果たした。
それは世界中が固唾をのんでみつめた、歴史的瞬間だった。船長ニール・アームストロング
は、“一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍だ”という歴史に残
る言葉を残した。アポロ計画は全世界の人にとって、新たな時代への幕開けであった。
Bスペースシャトル時代 Triumph & Tragedy (SMA119D)
アポロ13号の奇跡の帰還を経てアポロ計画は17号まで続いた。1980年代には再利用可能な 宇宙船・スペースシャトルで宇宙へ向かう時代を迎える。しかし1986年にチャレンジャー号、
2003年にコロンビア号で搭乗員全員が命を落とす事故が起こってしまう。宇宙飛行計画の 一時中断を余儀なくされたが、2005年に飛行が再開された。スペースシャトルは計100回
以上打ち上げられ、数多くのミッションを果たした。
C宇宙の未来 Life and Death in Space (SMA120D)
月面着陸を果たしたNASAは、宇宙ステーション“スカイラブ”の建設を開始した。また、大気
や天候の影響を受けない宇宙の天文台“ハッブル宇宙望遠鏡”の打ち上げが行われた。
その後、鏡のゆがみによる不具合が発見されたが、地球上で訓練を1年以上積んだ宇宙飛
行士によって修理がなされた。そして国際宇宙ステーション(ISS)の建設は、米国、ロシア、
日本をはじめとする15か国が協力して計画を進めた。宇宙開発は冷戦時代の競争から生まれ
たが、現在は国際協力によりさらなる飛躍を遂げる時代となった。
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