新しい学習指導要領は、学校教育の大きな目標の一つに「言葉の力をはぐくむ」を掲げています。しかし、言葉の力をはぐくむことは、「言うは易くして行うはかたし」という大きな課題です。この課題を達成するには、学校のすべての教育活動による継続的な指導が必要です。中でも、国語科教育にはその中心教科として大きな責任がかかってきます。
 「言葉の力をはぐくむ」指導の内容は主として言語事項にかかわるものですが、いずれも地味で、継続的な努力が必要ですが、生徒の関心をとらえにくいものです。
 本シリーズでは、様々な言語事項の学習を映像化することによって生徒の興味を喚起し、言葉の学びを楽しく進めようとするものです。いずれの巻も指導者と生徒が一緒になって学習を進めるという形式が取られています。学校生活や社会生活の中での具体的な言語活動例が用意され、専門家の撮影した鮮明な映像と指導者役による明晰なナレーションで生徒の理解を助けます。
 「言葉の力をはぐくむ」学習はどうあるべきか、ご自分の目でお確かめのうえ、楽しい学習指導の創造にご活用下さい。

川本信幹 (かわもと のぶよし) 1933年広島県生まれ。広島大学を経て東京学芸大学卒業。国語学(日本語学)専攻。現在、日本体育大学名誉教授。日本語検定委員会理事・研究主幹。多年中学・高校の国語教科書の編集に携わり、文部省(現文部科学省)の各種委員、0ECD・PISA調査国内委員を務める。国語教育・国語表現法・日本語・敬語など著書多数。最新刊は、『みがこう、あなたの日本語力』(東京書籍)『生きるための日本語力』(明治書院)。なお、『月刊国語教育』(東京法令出版)にエッセイ「日本語ためつすがめつ」を長期連載中。
 

 「言葉」を学ぶことは楽しい。それは、大人も中学生も同じである。「言葉」が話題になると、教室がとたんに明るくなる。この『言葉をはぐくむ』シリーズを見て、「日本語っておもしろい」「日本語についてもっと知りたい」「よし、この言葉を使ってみよう」とつぶやく中学生の声が聞こえそうである。教室での活用について、いくつか提案したい。
@ビデオを見ながら聞き取りメモをし、パンフレットにまとめる。
 聞くことの学習にもつながるものである。要点を聞き取り、自分なりのパンフレットにまとめる。さらに自分で調べたものを加えてオリジナルのパンフレットを作っても楽しいのではなかろうか。
A「言葉」に関する単元の「導入」として観て、この中から自分の学習課題を決める。
 このシリーズには日本語の特質をはじめ、さまざまな「言葉」の学習の課題が提示されている。「もっと詳しく調べてみよう」という学習の「導入」に活用できる。
B「言葉」に関する単元の「まとめ」にする。
 この中にはさまざまなテーマがあるので、それぞれの学習の「まとめ」に活用できる。しっかりした「まとめ」があれば学習は定着し、さらに、学習したことを日常生活に生かしていこうという意欲も喚起できる。

甲斐利恵子(かい りえこ) 東京都台東区立御徒町台東中学校教諭。『子どもの情景』(対談集・光村教育図書)、『聞き手話し手を育てる』(共著・東洋館出版)、『中学教師もつらいよ』(共著・大月書店)などの著書がある。

 

 

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